ガリガリ君の魔法-お客様との信頼関係構築術

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お客様との信頼関係構築術
 はじめまして。「コンサルタントの現場」担当のシライです。コンサルタントの仕事はお客様と信頼関係を築くことが大切です。私も初めてのお客様に対峙する時、今でもドキドキします。

 今回紹介するのは、あるプロジェクトでお客様の信頼を得ていった当社の若手コンサルタント「ガリガリ君」(仮名。アイスが好きだからではありません。ガリ勉でもありません。細くてひょろっとしているから、ガリガリ君)のエピソードです。

 新規のお客様に対してシステム構築のコンサルティングを行った時のこと。このプロジェクトでは、ガリガリ君がお客様の事務所に常駐してお客様をサポートし、他のメンバーは自社内(ウルシステムズ社内)で作業を行う体制を取りました。プロジェクト開始前の打ち合わせでお客様とガリガリ君が初めて顔を合わせた後、私はお客様に呼び出されました。

お客様:「コンサルタントって言うけど、他のSEと何が違うんですか?」
私:「違いは、作業の質で実感していただくことが多いです。」
お客様:「質が高いって、判断が難しいですね…。」
私:「当社コンサルタントの価値は、プロジェクトを進める中で実感していただくことが多いです。」
お客様:「そうですか…。ガリガリ君、少し若いみたいだけど、経験はありますか?今回のプロジェクトは相当難易度が高いと思いますが…。」
私:「ガリガリ君は若いですが、優秀なコンサルタントなので必ずお役に立てると思います。」
お客様:「そうですか。とりあえずこのプロジェクトは上司から指示されているのでスタートしますが、うまくいかなかったら相談させてくださいね。」

 お客様は、第一印象では明らかにガリガリ君をよく思っていないようでした。しかし、ガリガリ君なら必ず活躍してくれると信じて、ガリガリ君をプロジェクトに送りだしました。(ガリガリ君、頼むぜ!お客様を見返してやれ!!(心の声))

 そんな中スタートしたプロジェクトですが、開始から1ヶ月程度経った時、お客様とガリガリ君の関係の変化を実感する出来事がありました。関係者が全員集まって、プロジェクト全体の進め方を決定する会議での出来事です。

お客様(担当者):「それでは会議を始めます。」
ガリガリ君:「まずはお手元のスケジュール表を私から説明します。これはお客様が作成した計画を詳細化したものです。」
私:(あれ??詳細なスケジュール、ガリガリ君が作ったんだ。)
~ガリガリ君によるスケジュールの説明が続く~

ガリガリ君:「次に、この計画を達成するためのプロジェクト管理の方法を説明します」
私:(何か、ガリガリ君がプロジェクトマネージャーみたいになってるな。)
~ガリガリ君によるプロジェクト管理方法の説明が続く~

お客様(担当者):「次に、構築するシステム全体の構成を説明します。」
~お客様(担当者)によるシステム全体構成の説明が続く~

お客様(上司):「このシステムはデータ量が多くて、きっとパフォーマンスがネックになると思うけど、その点についてはどうなのかな?」
お客様(担当者):「パフォーマンスについては、ガリガリ君が事前に調査を行ってくれています。」
ガリガリ君「はい、一部のパフォーマンス検証と、その結果に基づく全体の机上検証を行った上で、システム全体構成を作成しています。とは言え、現段階ではデータ量が正確に分からないので、データ量の見積もりが精緻に分かるタイミングで再度検証を行うように、スケジュールに組み込んであります。」
お客様(上司):「なるほど。分かりました。それなら安心ですね。」
~会議は終了後~

ガリガリ君:「会議、うまくいきましたね!」
お客様:「いや~、上司にも納得してもらってよかったよ。ガリガリ君が色々下準備してくれたおかげだよ!今後もよろしくね!」
ガリガリ君:「は~い!今度また飲みにも連れて行って下さいね~!笑」

すごい!いつの間にかガリガリ君がお客様に信頼され、プロジェクトの中心となって動いていることを実感する会議でした。

 さて、仕事以外ではいつもフザけているように見えるガリガリ君が、なぜ信頼されプロジェクトに不可欠な存在になったのでしょうか。いったいどんな魔法を使ったのか、どうしても気になって、ガリガリ君に聞いてみました。

私:「なんかさ、プロジェクト開始したときと感じ変わってない?」
ガリガリ君:「ん?何がですか??」
私:「お客様に信頼されているっていうか、もうガリガリ君がいなきゃプロジェクト進まない感じになってるじゃん。どんな工夫をしたの?どんな魔法をかけたの??」
ガリガリ君:「特別なことは何もしていないですよ。お客様が苦手な部分をカバーしていっただけです。」
私:「お客様が苦手な部分って?」
ガリガリ君:「あまりマネジメントが好きじゃないんですよね。計画は大枠だけ決めるから、細かいことはプロジェクトメンバーがうまいことやってね、っていうタイプの方なんです。」
私:「あら、そりゃ放置するとまずいね。」
ガリガリ君:「そうそう。プロジェクトメンバーの数もそれなりに多いし、放っておくと遅れを出しそうなタイプの人もいて、誰かがマネジメントしないとヤバそうでした。ウチの作業スコープではないけれど、他にやれそうな人がいなかったんです。そこでお客様にヤバさを説明して、私が巻き取ることにしました。」
私:「そうだったんだ!じゃ実質的にプロジェクト管理は、ガリガリ君がやってるんだね。」
ガリガリ君:「まぁ、そうですね。」

ガリガリ君は当然な感じで話してくれましたが、コンサルタントにとって大切なポイントに改めて気づかされました。

 まず「事実をしっかり把握すること」です。プロジェクトが今どのような状況で、何がうまくいっていて、何がうまくいっていなのか。ガリガリ君はきちんと把握した上で行動を取っています。推測ではなく事実に基づいた判断は、お客様にもご納得いただけます。

 次に「お客様をきちんと理解すること」です。お客様が得意なこと、人に任せたいことをちゃんと理解しています。そしてお客様が得意な部分はお客様に実施していただけるようにし、苦手な部分をガリガリ君が巻き取っています。

 また「能動的に仕事を行っていること」も高い評価につながっています。ガリガリ君は与えられた仕事の枠にとらわれず、プロジェクト成功に必要な事は自ら積極的に提案し実行しています。

 当たり前のことにも思えますが、これを当たり前に実行するのはなかなか難しいことです。お客様とプロジェクトのことをきちんと考えて、能動的に行動する。そしてそれを継続することが信頼関係を築く第一歩だと再認識できました。ガリガリ君が使った魔法は、これらを着実に実行することだったんですね。私もガリガリ君を参考に精進していきます!


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