IT業界の未来を語る!(3)【IT人材が主役の時代へ。Take Action!】-ITR 内山社長 × ウルシステムズ漆原社長

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IT業界の未来を語る! 対談(第3回(全3回))

TAIDAN_01(左)ウルシステムズ株式会社(ULS)漆原茂 (右)株式会社アイ・ティ・アール(ITR)内山悟志【敬称略】

ITR様とウルシステムズは、創業以来「ユーザー企業の側」に立ってプロジェクトの成功を牽引してきた。テクノロジーや働き方が刻々と変わる時代において、これからのITがどのように変化し、ITエンジニアやSE、コンサルタントはどのように進化を遂げることが大切か。学びと実践を社内外に提供し続けている二人が意見を交わした。今回は、日本の業務系SEの底力と若手・中堅IT人材へのメッセージを紹介する。

日本の業務系エンジニアは、スゴイ

uruULS 漆原

日本の業務系エンジニアは、ものすごく優秀だと思っています。内山さんからご覧になって、グローバルにみてもスゴイと思うところはありますか?
ありますね。業務をよく理解して、システムに落とし込む能力は、圧倒的に優れていると思います。実際にインドや中国のオフショアを使ってみた話を聞いたり、私自身がアメリカ人やフランス人と一緒に仕事をしてみると、日本人の方がはるかにきめ細かいことがわかりました。言語の問題ではなく、ものの考え方として、です。
要するに、カスタマイズ性を受け入れられる能力が高い、ということだと思います。一方で、個別の業務の洗練さにあまりにもこだわり過ぎてしまい、本当にその業務が必要なのかという議論が十分にできていない、というケースもあるようですが(笑)

uchiITR 内山

イノベーティブなITは、少人数プロジェクトから生まれる

uru
弊社でも、グローバル展開しているお客様のプロジェクトをいくつかご一緒させていただきました。担当のコンサルタントは、語学力が飛びぬけていたわけではないのですが、欧米で展開されていたプロジェクトに飛び込んでリーダーシップを発揮して、こじれていた要件をきっちりまとめて仕様に落としこんで帰ってきました。業務への理解と技術力があれば、技術者同士の会話は成立していくんですよね!内山さんがおっしゃる「プロジェクトを推進しようとする意欲」も高いので、グローバルな現場でも十分活躍できるようです。
ところで日本でイノベーティブなITは、どうやったら実現できますか?
個人とか、2・3人という単位で物事を企画開発していくということをやるほうが、何十人の体制でやるよりも、イノベーティブなものは生まれるかな、と思います。「そぎ落とす」というのはすごく重要で必要なことです。例えば、ロボット掃除機にしても、単に掃除してくれればいいという発想は日本人には少なくて、こういう機能も必要、こういうリスクも回避しておこう、と機能がどんどん追加されていきますよね。関与者が多くなればなるほど、仕様がどんどん複雑になっていく傾向にあります。イノベーションというのは、物事を捨てる勇気を、個人としても組織としても持ってこそはじめて生まれるのだと思います。チームの作り方が大切な要因ですね。
uchi
uru
少数精鋭のメンバーでやるのが効果的ということですよね。私も同感です。数名の優秀なメンバーで組めば、大人数の有象無象のチームよりも何倍もの価値を出せると思っています。300人の指示待ち部隊より3人の優秀なIT屋ですよね。

得意領域を作って、集中特化

uru
ビジネスとITがまさに一体化してきたので、B2Cだけでなく、B2Bの分野でも様々なサービスが展開されていくことが予想されます。
内山さん、これから、どんな会社が伸びると思いますか?
これからのIT活用は細分化していくので、共通インフラを提供しているような会社は、規模の論理で、勝ち組が決まってしまうでしょう。今で言うマイクロソフトやグーグル、フェイスブックは、規模の論理を手に入れた企業。共通インフラ、プラットフォームビジネスを確立した企業ですね。ただそうなれる可能性は、万に一つ、億に一つだと思うんです。
むしろ、チャンスがたくさん転がっているのは、事業特化型・業種特化型というような「この分野では、あそこは定番だ」というデファクトになるサービスを提供できる会社だと考えています。
uchi
uru
事業特化型・業種特化型が伸びるだろう、ということは…むしろ、ベンチャー企業にとってチャンスですね。
はい。今後は、ユーザー企業とITベンダーという境があいまいになってくると思うんです。ユーザー企業もクラウドを使ってサービスを提供すれば、クラウドサービスベンダーになる時代になりました。例えば、銀行が与信のサービスを、運輸業者が物流インフラサービスを開始する、そんなことが当たり前のように起こってくるでしょう。要は、特定の領域に秀でたサービスを持っている企業が強い、ということです。
何か得意な領域を作って、そこに集中特化していくというのは、一つのやり方ですよね。
uchi
uru
日本のきめ細やかなサービスとITが一体化すれば、まさにグローバルで戦えるIT商材として、世界にうって出られますよね。そこを創り上げていくのがエンジニアの仕事になっていくんですね!

ITR内山氏

ウルシステムズ漆原氏

脇役から主役へ!Take Action!

uru
今回の対談の締めくくりに、これからの未来を担うIT人材に向けて、メッセージをお願いします。
まず、ユーザー企業の情報システム部門の方へ。
「IT人材が脇役から主役に」出てほしいですね。
主役という言葉には、「ビジネスを牽引する」、「ビジネスを変革する動きに最初から関わって、何かを生み出す」という意味を込めています。今後の業界の動きとしては、事業特化型のITの領域が伸びていくでしょう。製造業であれば物を作るとか設計するとか、そういう領域です。小売業であれば、お客様との接点に関するマーケティングITの領域。あるいは、将来の働き方を変えるようなワークスタイル変革の領域も伸びていくでしょう。すでに会社の中にあって保守をメインにすればよいような従来のITの領域を超えた領域にチャレンジして、会社の変革に寄与するところにぜひ力を注いでほしいなと思います。
uchi
uru
ITベンダー側は、ユーザー企業側がチャレンジする新しい領域で成功できるよう、それを力強く支援するサービスを提供しなければなりません。あるいは、特定企業向けのサービスを汎用化して、世界に打って出るようなモデルを作っていく必要があります。ですので、最初から、個別のお客様を満足させるような観点だけの支援を捨てて、世界に打って出れるようなサービスを視野にいれて、そのためにプラスになるような経験を各お客様のプロジェクトで積んでほしいと思います。グローバルファーストという視野でお客様の支援を続けてほしいですね。
uchi
uru
実際の現場で力をつけていくことは、とてもよい経験になりますよね。
若手の皆さんで、自己啓発に熱心な方は特に、研修やビジネススクールに参加して見聞を広げる期間に区切りをつけてください。そればかりやっていて、気がついたら40歳という方が意外と多いんです。だめでもいいから、自己啓発を一回脱して、転職でも起業でも新しいプロジェクトでも何でもいいから何かアクションを起こすことを、なるべく早いうちにやることをお勧めします。
uchi
uru